ふにゃるんv2

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"文学少女"と穢名の天使

待ちに待った、文学少女シリーズです。

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)


今回は、シリーズ中 不遇の扱いを受けていた、ツンデレななせタンが主人公?です。


ちなみに、どれだけツンデレかと言うと、↓こんな感じ。

「井上のせいだからねっ」
放課後。琴吹さんは、とっても怒っていた。
二階の東南にある音楽準備室は、大量の段ボール箱で埋もれている。ぎっしり詰まった資料を分類し、ファイルにまとめるのが、ぼくらの仕事だった。
「ご、ごめん……でも、もともと琴吹さんが、先生に頼まれたことだし……」
「井上が引き受けなかったら、断ってた。って、井上と働きたかったわけじゃないからねっ」

顔をくっつけて、ひそひそ話していると、琴吹さんがそぉっと振り返った。
とたんに先生が、嬉しそうな声を張り上げる。
「あれ?ななせくん。私と井上くんがなにを話しているか、気になりますか?ななせくんは可愛いねぇって褒めてたんですよ。ねぇ?井上くん」
「え、はぁ、その……」ぼくは困ってしまった。
「べ、別にっ!気にしてないから」
琴吹さんが慌てて背中を向ける。

もう、ゴロゴローと転がっていました。


…が、喜びでゴロゴローできたのは序盤だけで、後はゴロゴローと坂を転げ落ちるように、シリアスというか悲しみまっしぐらです。

その瞬間、心臓が握り潰されるような激痛と、嵐のようなどす黒い幻影が、ぼくを襲った。
初夏の屋上。揺れるスカートの裾とポニーテール。寂しそうな顔で振り返り、微笑む美羽。最後の言葉。

−−−コノハには、きっと、わからないだろうね。

逆さまに墜ちてゆく美羽。絶叫するぼく。
パズルのピースがバラバラになるように、崩壊してゆく世界。

なんていうか、作者さんはデレサドです。
文中というかシリーズ通して、「そのシーンだけ」を何度も何度も再生されます。壊れたレコード針のように。
始末におけないのが、この「悪夢の再演」が、ひょっこり(しかもしつこく)行われる点ですかね。


とかいいつつ、次を待っている(完全に術中に嵌った)漏れがココにいます。はい。
正直、美羽タンの肉声が聞きたいヨ!